無垢の木と白い塗り壁に包まれたシンプルでナチュラルなデザイン。だけどその家は、何かが普通とは違っていた…「斜めなんですよね」とご主人がリビングの壁を指す。そうだ。テレビの置いてある壁が斜めになっているではないか。「土地の形に合わせて家を建てると、リビングからは隣の家しか見えなくなる。『それじゃ楽しくないでしょう』って、住工房さんからこの形を提案されたんです」。この家のリビングダイニングは13.5畳。大きな吹抜けがあるので開放感があるのはもちろんだが、実際の畳数以上の広さを感じる。「土地はコンパクトでも、視線の抜けを考えてつくれば家は広く住めるんです。それに朝の光と午後の光をしっかりとり込めるように設計していますから、一日中明るいはずですよ」と言う上野さんの言葉に奥さまもうなずく。「この家で暮らすようになって、出かけていても、子どもたちが家に帰りたがるようになりました。私たちも家にいる時間が落ち着けるし、みんなここが大好きなんです」と奥さまは笑顔を見せる。どうやら無垢の木のやさしさや自然素材の心地よさは、しっかりと子どもたちにも伝わっているようだ。